カラー基準

ダイヤモンドは何色ですか?と聞けば。。。
無色と答えるのが普通ではないでしょうか?


無色透明の代表と言える宝石ですから当たり前かもしれません。
しかし、ダイヤモンドには多くの色が存在します。


例えば無色の他に
イエロー、ブラウン、グレー、ピンク、レッド、オレンジ、ブルー、グリーンなどがあります。
その中でイエロー、グレー、ブラウン以外のカラーダイヤモンドはとても希少で高価です。
この数あるカラーダイヤモンドの中でカラーグレードはイエローを基準とした表示でダイヤモンド・グレーディングレポートに記載されています。


ダイヤモンドのカラーグレードは「D」から始まり「Z」まであります。

「D」を純粋な無色とし、少しイエローがかってくるに従って「E」「F」「G」〜となります。
ワンランク違うことによりダイヤモンドの価格はもちろん違ってきます。


このワンランクの違いははっきりしているのでしょうか????


ダイヤモンドのカラーグレードを検査する場合は一定条件の光りのもとで、ダイヤモンドをひっくり返し側面から観察しています。
正面から見るとキラキラ輝いて、本来の色を確認する事が出来ないからです。逆に言えば、それだけワンランクの差は微妙だということです。


以前この様なことがありました。


私は授業でダイヤモンドのカラーグレーディングの説明の時、Eカラー、Fカラー、Gカラー、Hカラー、Iカラーのそれぞれの色のつき方を理解してもらうため学生にそれぞれのダイヤモンドを回しました。


学生たちは何の違和感もなく「なるほど」といった感じで納得していきましたが、私は手元に戻ったダイヤモンドをチェックして「あっ」と思いました。


EカラーとFカラーが入れ違っていたのです。その事に気が付いた学生は一人もいませんでした。


これはルース(枠にセットされていない状態)で見たにも関わらずこの様な事があるのですから、ましてやリング、ペンダントにセットされているものは、地金の色が更に分かりにくくする為、ワンランクの見極めは難しいのが現実です。(その為、製品のダイヤ鑑定は出来ません)
例えて言うならミネラルウォーターがDカラー、一滴ウイスキーをたらして混ぜたものがEカラーとでもいいましょうか。


少し極端かもしれませんがなんとなく理解していただけたでしょうか?

では何故価格に影響が出るのでしょう。

それでは次にダイヤモンドの生い立ちを考えてみる事にしましょう。