寸法のまとめ
ダイヤモンド・グレーディングレポートに記載されている言葉と数字について5つの項目があることを述べ、主に「寸法」について話を進め「深さ」の事まで話が進んだと思います。ご理解いただけましたでしょうか?
引きつづき「テーブル直径」「パビリオンの深さ」「ガードルの厚さ」についてお話します。
ただ少し思い出して頂きたい事があります。「寸法」の数字は実寸(mm)で表示しており、後の項目は「ガードル厚さ」を除いてはパーセントで表示しています。これは、ダイヤモンドの直径を100%とした場合の割合である事を、まず頭に入れておいてください。
これが理解できれば準備OKです。
では、少し難しくなるかも分かりませんが引き続き説明に入ります。
(3)テーブルの直径
テーブルとはラウンド・ブリリアントカットを正面から見た時中心にある一番大きな面の名称です。ダイヤモンドに入ってきた光が内部で反射し観察者の目に返ってくる役目を果たしている面です。
従ってダイヤモンドを美しく見せるためにはとても重要な面であると言えます。
ならば、大きければ大きいほど白色光が観察者に美しく見せる事が出来るではないかと思いがちですが、そうではありません。
ダイヤモンドの美しさには3つあるとお話した通り、テーブル面が大きくなればそれに反してテーブル面を取り囲んでいるファセット面(スターファセット、ベゼルファセット、アッパーガードルファセット)が少なくなり、虹色に輝くダイヤモンドの美しさ、ディスパージョンが失われます。テーブル面は、大きくもなく小さくもなくすべての美しさを引き出す上で重要という事になります。
では、ダイヤモンドの直径に対してどのくらいが理想かといいますと、53%〜58%が最も適切だと考えられています。
しかし、あまり神経質に考えない方が良いと思います。
グレーダーは実測した数値を記載しカット表にもとづきグレード付けをしているに過ぎないからです。
そこには基準というものが存在するだけで美しさは測定出来ていません。
肉眼で58%と59%のテーブルを比べてもなんら変わりはないでしょう。
まして、メジャーのちょっとした誤差によっても変わってしまうぐらいのものなのですから・・・
59%のテーブルで価格が安くなるものであれば、そちらの方がある意味では得なダイヤモンドの買い方かも知れません。
ただ一ついえることは光の反射と虹色の輝きがバランスよく美しいかどうかを自分の眼で確かめる事が良いと思います。