髪飾り

洋服にはジュエリーが良く似合います。ジュエリーを身につけて洋服もまた活かせれます。着物は着物だけでいいです。着物はそれだけで完成品だからです。着物に似合う装飾品があります。髪飾りです。櫛(くし)、簪(かんざし)、笄(こうがい)がその代表です。
想像してください。着物をきた女性の姿を・・・なんの違和感もなく美しいでしょう。では、もう一度想像して下さい。見事に結いあげられた日本髪を・・・その想像には自然と髪飾りがあります。髪飾りがなければその髪形は完成しません。日本髪と髪飾りは運命をともにしてきました。現代の髪形はもちろん日本髪を結うのはごく限られた方だけです。髪飾りは日本髪とともに見かけなくなりましたがその伝統と技術は今でも見ることができます。
髪飾りの材料にも興味を惹かれます。鼈甲、偽甲(牛爪など)、ガラス、サンゴ、メノウ、象牙、ヒスイ、セルロイドなどがあり更に螺鈿象嵌、漆塗り、蒔絵などの技術も髪飾りの歴史でみることができます。



 櫛




 簪




 笄




言い忘れていましたが、日本の歴史のなかで髪飾りが日常に使われていない時代がありました。
日本女性の髪そのものが「美」とした時代それは、平安時代です。時の流れとともに新しく生まれるものそして消えていくものがありますが、『美』と感じることはいつの時代も消えません。