カットする時のポイント

カッターの事に少し触れましたので、ここではカッターの立場にたった考え方、何を基準にダイヤモンドをカットしていくかという事を説明したいと思います。


まず2つの基本的な目的がカットにはあります。

1.効果的な光の戻り
  今までお話したブリリアンシー・ディスパージョン
2.高い歩留まり
  原石からより大きなカット石を得ること



以上2つがカッターにとって頭を悩ませるところです。


なぜなら、「より効果的な光の戻り」を追求すればするほど、原石からとれるカット石は小さくなり高い歩留まりは得る事が出来なくなるからです。


ここに、2つの同じダイヤモンド原石があるとします。当然、この原石の価値は同じです。そこで、ある一人のカッターはあまりカットグレードにこだわらず、カラットを重視したカットをしました。又、もう一人のカッターはカットにこだわりをもちカットをしまた。


さて、ここで出来上がったダイヤモンドは歩留まり重視したダイヤは1,00Ctありました。一方、カットにこだわったダイヤは0.9Ctになりました。
出来上がったダイヤモンドは、同じ原石を使ったにもかかわらず重いダイヤの方が、高い値がついてしまいがちです。


でも実際には、カットにこだわった方が技術的に時間をかけているのです。
少し矛盾していると思いませんか?
この矛盾を正しく評価する意味でもカット評価は価格に大きく反映することがお解かり頂けると思います。


ダイヤモンドの4C評価において、カットとカラットは実は相反する関係にあります。

どちらを重視するか?

カットとカラット、ここでもそのバランスが大切な気がします。
ダイヤモンドを見つめながらこのダイヤモンドはどの様な考え方でカットされていったのか…と考えてみるのも面白いかもしれませんね。

カットとカラット両方かなえてくれるそんな人現れるといいですね