地球のダイヤモンド工場

ダイヤの大きな欠け

クラリティについてお話しするつもりが、つい過去の出来事が脳裏に浮かび、寄り道をしてしまいました。
 しかし、この事件を通して、証書とはダイヤモンドのグレードだけを記載するのが目的でなく、同一性の証明が大事なことがご理解頂けたと思います。
 寄り道の景色を眺めながら、ゆっくりと歩いてみようと思います。
では、「クラリティとは」の説明に入ります。

ダイヤモンド誕生秘話

ダイヤモンドに限らず、ほとんどの宝石は、自然が作り上げた鉱物です。
いいかえれば地球の芸術品でもあります。
この芸術作品は、偶然が偶然を呼び、奇跡が重なり、気の遠くなるような歳月を費やしてできています。では、ダイヤモンドには、どんな偶然と奇跡が訪れたのでしょう。
まず、ダイヤモンド誕生の偶然と奇跡に触れてみたいと思います。


ダイヤモンドを作るための地球の工場とは言いますと…、地下200kmのマントル層だと考えられています。そこは、人間の感覚であれば、まさに灼熱の地獄!!
人間にとって環境条件最悪の工場でありますが、ダイヤモンドにとればこの様な条件はまさにゆりかごです。気の遠くなるような年月をかけて、地球にあやされながら、ダイヤモンドの結晶は育っていくのです。
「フー、考えても、考えても、想像がつきませんね。それでも、無理にでも想像を膨らませて聞いて下さい。」


やっと育ったダイヤモンド。
しかし、どうして私たちに会うことが出来たのでしょう。
なぜなら、私たちが歩んでいる道の200kmも下にあるのですから…。


しかし、自然とは、時として、粋なはからいをしてくれるものです。
地球の貴重品を無料で運んでくれる宅配便がマントル層の内部にもあったのです。その宅配便名は「マグマ」と言います。


例えば、南アフリカで発掘されているダイヤモンドは、いまからおよそ10億年前、地球のマントル工場で作り上げたダイヤモンドをマグマが取り込んで、一気に地上付近へと運んできたものです。
 いま、一気にと申し上げましたが、ここがポイントなのです。


このマグマ宅配便は、特急便でなければいけない訳があります。ゆっくり上昇…すなわち、時間をかけていれば、ダイヤモンドが溶けてしまうからです。


おまけに、日本のような造山地帯では、地下にマグマ溜まりというものがあり、せっかくダイヤモンドを運んできたマグマ便が、マグマ溜まりで休息してしまう訳です。
ですから、マグマ便の中継所の多い日本ではダイヤモンドは採れないのです。


永い年月をかけて輝きの下地をつくり一気に表舞台にたつ!!


彗星のごとく現れ、ダイヤのように輝く、なんの苦労もしていないようですがただ、それまでの試練は見せないだけです。


そんなやつが本当の意味でダイヤなやつかも知れません

写真:ダイヤは硬度は他の宝石に比べてとても強いですが衝撃にたいしては写真のように割れる事もるので注意した方がよい。