クラリティグレードの説明 

gemologist2006-03-29

 クラリティグレードは、10倍の倍率で確認し、グレードが決定します。もし、何の特徴も確認できなければ、クラリティグレード最高のフローレス(FL)となります。


次に、内部には何の特徴の確認できないが、ダイヤモンドの表面のごく浅い研磨痕など、かるい再研磨で、その特徴が消えてしまうブレミッシュ(表面のみのキャラクター)が確認できるものを、インターナリー・フローレス(IF)のランクにしています。


 これら、FL、IFは、ともにクラリティグレードの最高級品で、ダイヤモンドの生い立ちを考えても何の特徴もないものは、非常にまれです。(何10倍、何100倍と拡大すれば、もちろん確認できます)
ランクを、ぐっと下げて、SIクラスはどうでしょう。このクラスは、肉眼ではほとんど確認できませんが、10倍の拡大では、容易にその特徴が確認できるランクです。
すなわち、先程のFL、IFに比べて、稀少性だけから考えてもSIクラスの方が安価であるのがうなずけます。
この様に、フローレスとSIクラスというランクの離れたクラスを比べて説明しましたが、ダイヤモンドに内容物(インクルージョン)が確認できればできるほど、グレードは低くなるのはご理解いただけたと思います。


しかし、ダイヤモンドと長くつきあっていると、時としておもしろいものに遭遇することがあります。それは、フローレスよりも稀少なSIグレードのダイヤモンドです。今までの説明を覆してしまいそうな言い方ですが、写真を見て下さい。
ダイヤモンドの中に取り込まれてしまった緑色をした宝石の結晶です。とてもユニークで、珍しいのですが、ダイヤモンドの基準からすれば、SIクラスになってしまいます。
おまけに、この鉱物の色である緑色がダイヤモンドの内部に反射して、このダイヤモンド自体がうっすら緑色をしています。


自然というのは、本当にユニークなことを平気でしてくれます。


ダイヤモンドの輝きを楽しむとき、私たちは自分の眼だけで確認しています。SIクラスまでは、ルーペを使わない限り、キャラクターが見えにくいのですから、美しさを妨げているとは言いがたいでしょう。


高価であればすべてよしではなく婚約リング、プチネックレス、ブローチ、ファッションリング、イヤリング、それぞれの用途に合わせた求め方、考え方があると思います。
もっとも、私の求め方は、少しユニークで妻に言わせるとジュエリーにならないとブツブツ言われますが・・・


ジュエリーにならない宝石も私にとっては、かわいい宝石達です。
美しさよりそのキャラクターを愛するやつも沢山いるように・・・。

写真:ペリドット?がはいっているラウンド・ブリリアントカットされたダイヤです。このダイヤは、肉眼ではやや緑かがって見えます。