クラリティ決定の要素
熟練者が、倍率十倍の双眼顕微鏡により石を観察し、キャラクターがどのように見えるかによって決定しますが、単なる見え易さだけではなく、次に挙げる五つの要素を吟味しています。
①キャラクターの大きさ
大きくなればなるほど、クラリティが下がるのは言うまでもありませんが、この大きさとは、あくまでも「石の大きさと相対的な大きさ」を意味しています。
例えば、あるダイヤモンドにSIクラスのキャラクターがあったとします。
キャラクターの大きさがそのままでも、ダイヤモンドの大きさが倍になれば、クラリティはVSクラスになるということも有り得ます。
②キャラクターの数
小さな内包物でも多くあればランクは下がります。
③キャラクターの位置
目立つところにあるかないかが決め手です。
大きさも数も同じでは、ダイヤモンドの中心にあるものより、端にあるものは目立たないため、良い位置といえるでしょう。
④色とレリーフ
先程も説明したように、目立つか目立たないかという考え方から、黒色の内包物は最悪といえるでしょう。
そのため、ときおり、レーザードリルホール(3月25日の写真)の様な方法で処理していきます。だだし、その場合でも白くなったからといっても無色の結晶と同じようにはは考えません。あくまでもシビアにクラリティを決定するのはいうまでもありません。
⑤性質
拡大する恐れのあるフェザー(3月28日の写真)は、石の耐久性を脅かすことから、最悪の性質といえるでしょう。
「ダイヤモンドは永遠に」は、この石については使えない言葉かもしれません。
今まで寄り道をしていましたので、今回は駆け足で説明しました。
まだまだ説明しきれませんが、なんとなくでも理解して頂けたらと思います。
ダイヤモンドの内部を拡大し、細かいチェックをしていくわけですから、クラリティグレードは「単なる、粗探しだ!」という方もいますが、けっしてそうではなく、ダイヤモンドがIクラスでクラリティの成績が悪いからダメというのではなく、そのダイヤモンドを知ることにより、どういう付き合い方、つまり、宝飾品に仕上げていくか、どういう取り扱いをすれば良いかわかるということです。
相手を知って理解していくことで、深い付き合いが出来るのと同じ事です。
誰もがパーフェクト(フローレス)ではないのですから・・欠点を補い、長所を見つめることです。
不思議なキャラクターほど付き合えば付き合うほど
魅力的に見えて来ますよ・・きっと・・・