ラピス・ラズリ(Lapis lazuli )

ラピス・ラズリ

ラピス・ラズリの名称
ラピス・ラズリの名前は少し変わっていると思いませんか?2つの名前が1つになったような呼び名です。それは、『ラピス』はラテン語で『石』、『ラズリ』は『群青』の2つの意味からきているからです。
宝石は、選ばれた「鉱物」です。ですから宝石には鉱物名があります。でもなぜか鉱物学では ラピス・ラズリという名称はなく宝石業界だけに与えられた通称です。では、なぜラピス・ラズリには鉱物名がないのでしょう?
ラピス・ラズリの正体
実はラピス・ラズリは、ひとつの鉱物の結晶ではなくて、ラズライト(Lazurite)、ソーダライト(Sodalite), アウィン(Hauyne)、ノゼライト(Noselit)以上の4つの鉱物の組み合わせであるためラピス・ラズリ単独の『鉱物名』が、存在しないのです。『群青』と『石』の2つの意味からなるラピス・ラズリは、『群』をなした4つ『青い石』からなっています。
但し、その中心となる鉱物はラズライト(青金石)で、アウィンが入るときれいなブルーになります。 ラズライトだけが多く存在すれば濃すぎる青となります。このように考えるとラピス・ラズリとはラズライトが中心となり他の3つの鉱物(ハウィン,ソーダライト,ノセライト)の組み合わせによりラピス・ラズリの色がきまる鉱物の集合体であるといえます。
外観
ラピス・ラズリを見ると白〜グレーの地に青色の大小の斑点(4種類)が点在し、キラキラと金色のものがよく光っています。白〜グレーはドロマイト(カルサイトの仲間でマグネシウムが多い鉱物)で、このドロマイトで、金色の鉱物は『金』ではなくパイライト(黄鉄鉱)です。このようにラピス・ラズリは、多くの仲間によって成り立っている『宝石』です。ラピス・ラズリには、『協調』という宝石言葉があります。ラピス・ラズリを大事に持っているとラピス・ラズリのように気が付いたらら周りに『仲間』がいっぱいいるかもしれませんね。